普通の水分補給ではダメなの?

お兄さん
いやー、今日の練習もキツかった!
脱水症状になりかけたよ!

お姉さん
ちゃんと水分補給はしましたか?

お兄さん
うん、たくさん水道水飲んだ!

お姉さん
水分補給は水だけではなく、
ミネラル等も合わせて取らないと
水分補給したことになりませんよ。

お兄さん
え、何でミネラルもとる必要があるの?

お姉さん
ミネラルは体液の濃度を調整しています。
ミネラルが少なくなると、それにあわせて
体内の水も体外に出て行ってしまうのです。

お兄さん
そうだったのか!知らなかった。。
暑い夏がやってくると、水分補給は塩分を始めとしたミネラルや糖分も合わせて取り入れることが必要です。たかが水分補給とはいえど、誤った補給方法をしていると脱水症状などの原因になります。市販のドリンクでも十分な水分補給ができます。その違いを見ていきましょう。熱中症のメカニズムに関心がある方はこちらの記事も参考いただけます。(熱中症に注意、初夏のランニングと対策・食べ物)
栄養成分の比較
こちらがスポーツの給水に役立つドリンクカオスマップです。

こちらが非常にわかりやすい比較になっています。経口補水液・スポーツドリンクだけでもこれだけの違いがあるのですね。今回は栄養成分の違いによるポカリスエット・アクエリアス・OS-1のドリンクの特徴を紹介していきます。
ちなみに食塩相当量とナトリウムの量は違います。飲料メーカーの公式サイトをチェックするとナトリウムではなく、食塩相当量という表記で栄養成分が記載されていることがあります。食塩は化学式ではNaCl。塩化ナトリウムです。ナトリウム量の求め方はおおよそ「塩分相当量1g=ナトリウム量393mg」で表せます。例えば、公式ページによるとポカリスエット100mlあたりの塩分量は約0.12g。つまり、393*0.12≒47.。上の表とほぼ同じですね。
ポカリスエットの特徴
ポカリスエット の特徴は栄養のバランスがよく、甘く、カロリーが高いのでスポーツ向け!
公益財団法人日本体育協会は「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」の中で、「1時間以上の運動をする場合には、4~8%程度の糖質を含んだものが疲労の予防だけでなく水分補給効果にも役立ちます」としています。
ポカリスエットには、100mlあたり6.2gの炭水化物が含まれています。1mlあたりおよそ1gですから、6%程度の糖質が含まれることになりますね。他のスポーツドリンクだと同様の計算でおよそ4%程度。経口補水液はほぼ3%以下程度なので、スポーツ時の栄養補給には不十分かもしれません。

ポカリを飲むと酒に酔いやすくなるという説がありますがこれは全くの誤解です。酒の吸収を早める効果はありません。むしろ酒を飲んだ後は脱水症状に陥りやすいので、ポカリをはじめとしたスポーツドリンクでしっかり給水することが大事です。
ちなみに、エナジードリンクと酒の組み合わせはタイミングによってはかなり危険です。理由はカフェインとの組み合わせです。脳を覚醒させる「カフェイン」、脳を麻痺させる「アルコール」。エナジードリンクによってより酔いを感じづらくなり、今日は意識がはっきりしていると思っても気づいた時には酩酊状態になってしまう危険性があります。
アクエリアス
アクエリアスはBCAA,クエン酸が豊富!BCAAは筋トレを行っている人であれば聞いたことがあるのではないでしょうか。これはアミノ酸の種類で筋肉の生成に役立つ栄養素でもあります。アクエリアスにはBCAAの量が明記されており、バリン(1mg),ロイシン(1mg), イソロイシン(1mg)と書かれています。(日本コカ・コーラ公式サイト)
あれ、ポカリもアミノ酸が栄養成分として入っているじゃないか?と気になる方もいるかと思います。実はポカリは調味料として表示されています。調味料に表示義務はないのでアミノ酸豊富!などとパッケージに書かなければあえて表示しなくても良いのです。
☆アミノ酸
L-アスパラギン酸ナトリウム、DL-アラニン、L-イソロイシンなど規則別表第1(指定添加物リスト)に収載されている21物質及び既存添加物名簿収載品目リストの用途欄に「調味料」と記載されている物質を、調味料としての用途で使用する場合です。表示では、「調味料(アミノ酸)」と記載します。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/shokuten/chomiryo.html
指定添加物リスト(規則別表第1)にBCAAも含まれているので、調味料としてBCAAがポカリスエットに含まれている可能性もないとは言えなくはないですが、あえて表示しないということは特筆すべき量ではないのだと考えられます。
経口補水液OS-1

電解質が多い!つまりナトリウムの含有量が多いということです。こちらはスポーツドリンクではなく、経口補水液なので比較するのが正しいかわかりませんがそれでも100mlあたり、100mgを超えてくるドリンクは表の中ではOS-1とアクアサポートくらいです。
厚生労働省と日本体育協会が熱中症対策として推奨する飲料の塩分濃度は0.1~0.2%です。このとき100mℓ中には40~80mgのナトリウムが含まれています。職場における熱中症の予防について(厚生労働省)で記載されていますが、最低これだけのナトリウムを摂取する必要があるということは、多くとること自体に問題はないでしょう。
スポーツ時以外の通勤やオフィスで働く際の体内の水分調節ドリンクとして活用できそうです。万が一熱中症になってしまった場合にも役立ちます。
コメント