ランニングとは
本題に入る前にランニングの定義を聞かれたら答えられるでしょうか。走ることでは説明になりません。歩行と何が違うのか。きつい歩行がランニング?それでは競歩はどうなるでしょうか。歩くのと走るの違いはWikipediaの説明がわかりやすかったのでこちら。
人間は二足歩行をするとき、左右の足で交互に地面を蹴ることで推進力を得る。このとき、両足が同時に地面から離れる瞬間がある移動方法を走る、常にどちらかの足が地面についている移動方法を歩くという。必然的に、走っているときは両足が同時に地面につくことはない。
Wikepediaより:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%B0%E3%82%8B
移動する際に両足が地面から離れた「走る」ことになるのですね。「走る」と言っても競技としては「短距離走」「中距離走」「長距離走」があります。走るスピードによってもジョギングなんてのもありますね。
ランニングとジョギングの違い
よく見かけるのがランニングは早い走りでジョギングはゆっくりの走りだという説明。これって本当なの?と感じる方のために。正直これは明確な違いはないと言って良いかと思います。海外ではジョギングをする人のこととJoggerと読んだりするそうですが、速いや遅いと言った感覚は人それぞれです。一般的に、1マイル(1.6km)を10分程度で走るとジョギングのペースになるそうです。6.2分/kmくらいでしょうか。まあまあ速いと思われる方もいるかもしれません。
ランニングには二種類ある
ランニングは様々な種類がありますが、大別すると二つで
す。それはなにか。有酸素運動と無酸素運動です。有酸素運動とは文字通り酸素を使って行う運動です。ジョギングやフルマラソン にようなランニングはこの分類に入ります。一方で無酸素運動は酸素を使わない運動です。短距離走などがこれに当たります。なぜ無酸素で運動できるのか。人間には酸素を使ってエネルギーを作り出すシステムの他に解凍系という糖分を利用してエネルギーを作り出す方法があります。解凍系は酸素を燃焼させるよりもエネルギー効率が悪いので、あまり使うと身体の糖分が枯渇してしまいます。こうなるとハンガーノックのような状態になり、身体が全く動かないという事態につながります。だからフルマラソン のように長距離を走る場合は出来るだけ有酸素で長く動き続けられることが良いパフォーマンスを出すために必要なことになります。
ランニングと呼吸のメカニズム
ランニングで走り始めた時の強度を0とすると、ある一定の強度になったときに有酸素運動から無酸素運動に変わります。そしてこの強度はスピードで表されます。速いペースで走ったら呼吸が上がってきて疲れますよね。この有酸素運動から無酸素運動に変わっていくポイントは人によっても異なります。このポイントが乳酸性閾値(AT/LT値と言われるもの)です。フルマラソン で速いような選手はこの乳酸性閾値を速いペースでも高く保つことができ、有酸素運動を続けられることができるようになるのです。ちなみにVO2 Max( 最大酸素摂取量 ) とは、人が体内に取り込むことのできる酸素の一分間あたりの最大量です。VO2Maxをあげるには限界があるので、個人的には心肺機能をあげるためにはLT値を意識した練習をした方が効果的なのではないかと思います。
世界のVO2Max ランキング
score | name | sport | notes |
---|---|---|---|
97.5 | Oskar Svendsen | Cycling | 18 year old from Lillehammer, Norway. The test was conducted in Sept 2012 at the University College of Lillehammer by physiologist Joar Hansen. (from an article on procycling) |
96.0 | Espen Harald Bjerke | Norwegian cross country skier | This score was achieved in 2005 (7.3 liter/min, 76 kg body weight), listed in an article on www.fasterskier.com. |
96.0 | Bjørn Dæhlie | Norwegian cross country skier | This score is commonly quoted, though another source has him recording a best of 90 ml/kg/min. |
93.0 | Kurt Asle Arvesen | Road Cycling | a Norwegian professional road bicycle racer for Team Sky. Figure taken from an article published on www.syklingensverden.com, said to be from 1997 (link no longer available). |
92.5 | Greg LeMond | cycling | US professional cyclist |
92.0 | Kilian Jornet | Ultr-endurance runner | There are many online references to a score of 92, though his website lists his VO2max of 85-90. He scored 89.5 from a test in 2012 by Daniel Brotons Cuixart, a sports specialist at the University of Barcelona. |
92.0 | Matt Carpenter | runner | Pikes Peak marathon course record holder |
92.0 | Tore Ruud Hofstad | Norwegian cross country skier | achieved in 2005 |
91.0 | Gunde Svan | Swedish XC-skier | won a total of 4x gold, 1x silver and 1x bronze medals at the Winter Olympics. |
91.0 | Harri Kirvesniem | Finnish cross country skier |
こちらは世界のVO2Maxランキングです。1位はOskar Svendsenでノルウェーのサイクリングの選手です。97.5なんて想像がつかないですが、18歳でこれだけとはすごいですね。サイクリストとクロスカントリースキーヤーが軒並み名前を連ねています。これはこれらのスポーツがとても酸素を使うスポーツであるということを示しているでしょう。トレイルランで有名なKilian Jornetも6位にランクインしています。成人男性の平均では高くても40ですから、トップアスリートの値が極めて高いことがわかるでしょう。ちなみに川内優輝選手のVO2Maxは82らしいです。少し前のデータなので今はもっと上がっているかもしれません。
健康づくりのための運動基準2006(厚生労働省)
性別/年齢 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 40 | 38 | 37 | 34 | 33 |
女性 | 33 | 32 | 31 | 29 | 28 |
このVO2Maxの値に応じてフルマラソン の完走タイムを推測することができるのですが、エアロビックスの生みの父クーパー博士によると、VO2Maxが46でサブ4(03:59:58)で完走できるらしいです。(サブ4とはフルマラソン を4時間切ること)じゃあVO2Maxが倍になったらサブ2ができるのかというとそんなことはないと思います。キプチョゲ がサブ2を達成したことで、世間を賑わせましたが、VO2maxが90後半の選手が全員フルマラソン をそのスピードで走れるとは考えられないからです。トップランキングを見てもわかるように、VO2Maxが高いのはマラソンに限らず、エンデュランス スポーツを実践している人々です。
コメント